海外の車検事情


日本の車検制度は、古くからある日本的なお役所仕事の象徴だという批判があります。車の整備は自己責任なのだから、国がわざわざ個人のやることに口出しをして、しかも高い費用負担を強いているというのが反対派の言い分です。そういう車検制度に対する批判がある時は、たいていセットになって海外の車検事情が引き合いに出されます。海外には車検のない国や、簡素化された制度が普通なのに・・・という感じです。
実際のところ、海外の車検制度はどうなっているのでしょうか?
車検がないことで有名なのは、アメリカです。アメリカは何でも自己責任の国なので、車検がない代わりに車の整備は自分の責任でちゃんとやりなさいという考え方です。その上で整備不良が原因の事故を起こしたら、とても重いペナルティが課されます。
アメリカと同じく車検制度がない国に、中国があります。中国も自己責任が基本の国ですが、中国の場合はまだまだ自動車の普及が進んでいる最中なので、制度が整備されていないという一面もあるようです。
日本と同様の車検制度を設けている国には、ドイツ、イギリス、韓国などがあります。これらの国はほとんどが数年に一度という周期で車検を受けることが義務づけられているので、日本の制度と非常によく似ています。
他にもスペイン、スウェーデン、フランス、ベルギーなどでも日本の制度と若干の違いはあるものの、車検制度があります。
こうして見ると、自動車の普及が進んでいる主要国ではほとんどの国が車検制度を持っているように感じます。車検がないと思われているアメリカですら、州によっては義務づけられていることもあるので、実は海外も日本の制度とそれほど大差はないのです。